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死角をゼロにし見守りを強化!
リアルタイム通知で施設全体の安心と効率化へ

社会福祉法人 豊富福祉会
特別養護老人ホーム 温心園 様

社会福祉法人 豊富福祉会 特別養護老人ホーム 温心園 様
施設長 植村秀明 様
施設長 植村秀明 様
導入の背景やきっかけを教えてください
当施設は併設のショート利用を含め110床を持つ平屋の施設で、2団地(60床・50床)に分かれています。各団地には回廊式の中庭があり、サブステーションから死角となる居室が多く存在します。改築移転当初は低年齢・低介護度の方々にバランスよく入所いただき、死角を埋める形で事故防止に努めていましたが、近年は高年齢化や高介護度の利用者様が増加し、死角となる居室も重度化した利用者様が使用するケースも増え、施設全体が日中夜間問わず常に見守りが必要な状況が続いています。

長年使用していた「タッチセンサー」や「センサーマット」では、誤作動や断線などの不具合が多く、電波が通りづらいという課題がありました。さらに、センサーマットは10台ずつ直線でしか届かない送信機と受信機を使用しており、配線が利用者様の目に見える場所に配置されてしまうため、引っこ抜かれたり引っかかったりすることが頻発し、邪魔になることもありました。また、センサーが頻繁に作動することで職員の注意が散漫になり、効果的な注意喚起が行えないという慢性的な問題もありました。
温心園様 内観図 温心園様 内観図
2団地の中庭に沿ってサブステーションが設置されているが、丸で囲った部分などは死角になってしまうため、スタッフによる常時見守りが難しい

これらの課題を解決し、利用者様の安全を確保するため、より高度な見守りセンサーの導入を検討しました。新しい見守りセンサー導入の主な目的は、次の通りです。

  • 事故防止の徹底死角となる居室や見守りが常に必要な方に対する高度な見守りを実現すること
  • 従来の課題解決誤作動や断線などの不具合、配線の問題、直線配置の限界を克服すること
  • 職員の負担軽減見守りセンサーの信頼性を向上させ、職員の注意喚起を効率化し労力軽減を実現すること
  • 利用者様の安全確保より高度な見守りセンサーの導入により、利用者様の安全と安心を確保すること
これらの目的を達成するため、展示会の参加やパンフレットの取得を通じて、施設のニーズに合った見守りセンサーの導入を検討していました。


ミネベアミツミの見守りベッドセンサーシステムを採用した決め手は何でしたか?
採用の決め手は、リアルタイムでの発信・通知機能でした。早い段階で他社製センサーベッド10台の導入やベッドセンサーのデモを見ていましたが、我々が求める事故防止には、センサーが利用者様の動き出しを感知してから数秒後に通知されるシステムでは不十分と感じていました。

その後、お付き合いのある業者様から紹介されたベッドセンサーシステムについて知り、導入を決めました。リアルタイムでの発信・通知機能に加えて、動き出しに対して段階的に設定でき、利用者様ごとに個別のセンサー設定が可能な点も大きな決め手となりました。
導入後、変化や効果はありましたか?
導入後、安心して見守りをセンサーに任せられることは大きな効果といえます。1年半以上使用していますが、全く異常がなく、誤作動がこんなにないとは思いませんでした。また、利用者様の状態に応じて柔軟にセンサーを移動させることができます。操作は簡単で、スタッフでも簡単に設置でき、移動の負担も少なくなっています。利用者様の入れ替わりが多いため、センサーの移動が頻繁に発生しますが、この手軽さが非常に助かっています。

さらに、施設内のWiFi環境を強化し、死角となる居室がないようにしました。設置場所に悩む必要がないのは大きなメリットです。導入の最大の決め手であるリアルタイムの発信・通知機能は、必要な時に迅速に駆け付けることで利用者様の安全を確保しています。リアルタイムでなければならないというニーズにも完璧に応えてくれます。

現在は、食堂に設置しているモニターで、利用者様のベッド上での状態をリアルタイムで確認できるようにしています。これにより、食事介助の際や夜間などの作業時に、スタッフがいつでもモニターを通じて利用者様の状況を把握することができ、安全を確保しやすくなり、迅速な対応が可能になりました。
食堂に設置しているモニター
食堂に設置しているモニター
また、介護ソフトやワークカメラとの連携も強化し、履歴を残すことができるため、記録管理が容易になりました。このシステムのおかげで、夜間帯の見守りを主としたラウンドの回数が減り、スタッフの休息時間が増えました。また、利用者様の安眠を妨げない仕組みができたことで、安心感の提供にも繋がっています。
ベットの写真
導入のご感想やご意見などありましたらお知らせください
導入当初からフル稼働しており、当初想定していた以上の効果を実感しています。特に、夜間の利用者様の睡眠状況把握は画期的でした。体動データから睡眠状態を把握することで、眠剤や安定剤との関係性や、訪室時間の検討、睡眠を妨げないオムツ交換のタイミングなどを把握することができ、利用者様の生活の質向上に大きく貢献しています。

また、有床安静時の呼吸の波形もデータとして取得できるため、看取り介護においても身体状況を客観的に把握でき、きめ細かなケアが可能になりました。これは、従来の観察では把握できなかった情報であり、導入の大きなメリットの一つです。

現在、1ヶ月に1度モニタリング会議を開催し、体動データに基づいた利用者様の状態把握や、関係各所との連携について話し合っています。これは、私が提案した取り組みですが、生活面からのアプローチとして、管理職が職員にこういった提案を行うことは非常に重要だと考えています。導入費用は確かに高額でしたが、利用者様の安全確保と職員の労力軽減を考えると、十分な投資だと考えています。特に、職員は常に利用者様の安全に気を配り、献身的に介護を行ってくれています。彼らの負担を少しでも軽減するために、全床への導入を検討しています。

なお、ベッドセンサーには体重測定機能も搭載されていますが、部分導入のためデータにバラつきが生じる可能性があると考え現在は使いきれておらず、2~3週間に1回の回診時に測定を行っています。移動の手間もかかっており、今後はより効率的な活用方法を検討していきたいと思っています。

見守りセンサーの導入を検討している施設様へ、アドバイスやメッセージをお願いします

メッセージ
介護業界にはさまざまなシステムやソリューションが存在しますが、まずは優先順位を考え、それを実現するために必要なものを選んで導入することが重要です。見守りベッドセンサーは、利用者様のリアルタイムの状況を把握する目的に非常に有効であり、特に夜間の見守りや緊急時の対応において大きな助けとなります。手厚く見守るための一つの手段として、ぜひ活用していただきたいです。

また、看取りの介護にも重きを置く必要があるため、その点でも非常に役立ちます。すべてのデータを確認する必要はありませんが、重要なデータに注目することで、新たな気づきや改善点が生まれることがあります。付属機能を活用することで、より効率的な介護が実現できるでしょう。

見守りベッドセンサーの導入は、利用者様の安全確保、生活の質向上、職員の負担軽減など、様々なメリットをもたらしました。
当施設では今後も導入数を増やし、更なる効果を追求していければと思っています。

施設情報

社会福祉法人 豊富福祉会 特別養護老人ホーム 温心園

社会福祉法人 豊富福祉会 特別養護老人ホーム 温心園 様

※ 掲載内容は取材当時のものです